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強姦社 選外者エッセイ2021

※この記事は架空の出版社の採用選考と、そこに挑む架空の就職活動家をテーマにしたパーフェクト・フィクション・ストーリーです。作中の一人称である“僕”は筆者のしあたんとは一切関係がありませんし、“強姦社”も実在する出版社ではありません。実際に存在する企業と絶対に被らないようにインモラルな会社名を考えただけで、”強姦社”のネーミングに深い意味はありません。

 

 

強姦社 選外者エッセイ2021『無職の世紀』

 

☆目次☆

第一章 就活の幕開け〜企業は新卒を捉え終えていた〜

第二章 エントリーシートの完成~ツイのオタクは凄まじい項目の出現を見た~

第三章 それはWebテストから始まった~噴き出したコロナは選考日程と試験形体を動かした~

第四章 Web面接に地獄を見た~ガバWiFi、オタ部屋、それとゼミ発表~

第五章 恐怖の中の平和~東京のオタクは全てを背負って面接官と対峙した~

第六章 無職の悲劇果てしなく~絶え間ない躁鬱、さまよう自我の慟哭があった~

おまけ HITOLIGOKKO~僕が見たES・筆記・面接~

 

※「おまけ」では未来の就活生に向けたアドバイスや反省点などをまとめています。強姦社はフィクション企業のため、直接役に立つことは無いはずですが、出版業界を志すのであれば参考程度に読んでみてください。

 

 

第一章 就活の幕開け〜企業は新卒を捉え終えていた〜

そもそも院進をするつもりだったので、就活の情報に初めて触れたのはたしか4月の初めの頃。僕はなんだかんだで絵やら文やらの創作が好きだったので、「就職するなら出版社じゃなきゃヤダ~~」と駄々をこねながら出版社の採用情報を調べ始めた。
※ここで豆知識なのですが、どうやら出版社は全体的に採用選考の時期が早いらしく、「2月に募集〆切→4月に内定」みたいなモラルブレイク・選考フローを平気で通してきます。多少なりとも出版に興味があるのであれば3年の1月頃から選考情報を調べておくのがオススメです。偉そうに講釈たれたけどもしかしたら周知の事実なのかもしれん…。
出版に限った話ではないが、多くの企業が採用ホームページのエントリーから選考を開始する。僕も知っている限りの出版社名で検索をかけ、出てきた登録フォームに意気揚々と個人情報を打ち込んでいった。しかし、社会は不適合者に甘くない。早速ここで第一の“壁”に道を塞がれた。そう、“出版社は選考が早い”のだ。
マイページに登録し、ログインすると表示される「2021年度新卒採用募集は終了致しましたw遅漏乙www」のテキスト。僕が最終的にエントリーした(出来た)のは2社だけだが、この段階で実質10社近くに“お断り”されていた事になる。
就活は情報戦だとよく揶揄される。だがその戦いに参加するために“速さ”が必要な事実はあまり周知されていない。※もしかしたら周知の事実なのかもしれん…。一体いつ火蓋が切って落とされていたのか、今となっては分からない。しかし事実として、僕が戦場に赴いた時点で既に、“企業は新卒を捉え終えていた”のである。

だが運命は常に“主人公”の道を切り開いてくれるもの。業界最大手と言っても過言ではない強姦社は、何とも都合の良いことに、今年度の採用から選考を前半と後半の二回に分けて実施していた。そして、後半の選考の締切は僕が採用ウェブサイトにアクセスした日の二日後。二日しかないとはいえ、まだ募集を受け付けている…。歯車の動き出す音が聞こえた僕は早速エントリーシートの入力へと進むのだった───。


第二章 エントリーシートの完成~ツイのオタクは凄まじい項目の出現を見た~

進むのだった───とは言ったものの、二日“も”余裕がある状態で社会不適合者の僕がそんなすぐに動けるわけが無い。実際に入力画面を開いたのは〆切当日の朝9時。〆切時刻は12時ちょうどだから3時間も入力に集中できるってワケ。映画がまるまる一本見れちゃうワヨ。

さて、出版業界のエントリーシートは文量が多いことで有名らしいが、幸いなことに強姦社のシートは紙換算でA4×4枚程度しか無かった。※“しか無かった”とは言ったものの、比較対象にすべき他企業のESを知らないので実は多いのかもしれません、よく分からん。日頃からTwitterで大長編純文学を紡いでいる僕からすれば造作もない量だ。来年以降の活動家さんが有益な情報を求めてこのブログにたどり着くかも知れないので、項目詳細にも少し触れつつ振り返っていく。

住所や学歴、志望理由等の基本的なプロフィールを入力した後に現れるのが「好きな○○とその理由」のコーナー。出版社なので「小説/漫画」は勿論、アニメや映画についても尋ねられる。強姦社の商品を一つも書かずに通ったので、ここで無理に媚びる必要はないと思う。その後も「嬉しかった経験は?」や「自分の人生を物語れ!」のような割と答えやすい&文量調節の容易な項目ばかりが並ぶ。特に何も意識せず、ちょっと長めのツイートをする気分で書けば簡単に書き終えられる。これでどうやって例年4割近くを落としている“選別”を行っているのか逆に怖いくらい。

お得情報コーナー終わり。想像以上に書きやすい入力項目達、加速していくキーボードを叩く音…すっかり調子に乗った僕の前に、次なる”壁”がその姿を現す。何故か途中から印刷して手書きする事を強いられたエントリーシート。その最後の項目は

あなたがあなたらしく写っている写真を貼り、それにセリフを付けてください

…?

陽キャの必須思考である”写真に自分を写すこと”を前提としたパリピ項目に(やっぱES送るのやめるか…)と思ったものの、ここまで書いてしまった後では勿体無くて流石に気が引ける、やり方が狡いぞ強姦社。だが、“自分の写った写真”などというシャイニング・アイテムを僕は一枚も持っていないこともまた事実。印刷したシートをスキャンして送信する都合上、スマホで撮ってその辺のお店でプリント…なんてしていては〆切に間に合わない。当日まで項目の確認すらしていなかったオタクが許せねえ…ッ。

曲がりなりにも出版社志願の活動家である僕に“〆切を破る”事は許されない、〆切ブレイクはこの業界で働く者が最も忌むべきタブーである。苦し紛れに僕が思いついたのが、「最近撮った川の写真」と「この写真には撮影をしている僕の感性が何よりも僕らしく写りこんでいるのです(意訳)」という、官僚もびっくりの屁理屈長文説明セリフだった。

〆切が迫ったオタクの脳はアルコールを生成し始める。焦燥に酔っ払ってマジでハイになった僕は「ちょw天才すぐるwww内定に感謝w般若w」と唱えながらエントリーシートをプリンターに読み込ませた。

神は時に主人公に試練を与える。僕の家に設置されたWiFiルーターちゃんは女の子故に不安定で、たまに一切繋がらなくなる。僕が“女の子タイム”と呼ぶこのトラブルイベントはこの日、不幸にもpdf化の用意が整った11:45頃に訪れた。

スキャンしたデータが無線で送れず、慌ててSDカードやらmicroSDやらを掘り出して接続を試みるオタク。乱心のあまりpdfを求めてpngフォルダを漁る等してひたすら時間を浪費し、片目から涙を流しながらファイルを添付。ちなみにこの時点で時刻は12:02。これもうダメだ…さよなら強姦社…と呻きながら、更新せずに放置していたページに一応送信してみたら、なんか送れた。本当に受理されたのか、やっぱりダメだったのか。よく分からなかった僕は、考結果発表の日までまるで逃げるように無人島生活に没頭した。

受理orダメ、結果はすっかり忘れた頃に届いたメールで理解する事になった。

エントリーシート選考結果のご確認をお願いします」

※ちなみに強姦社のここがクソ!ポイントとしてメールで選考結果の通知を送ってくるくせにメール本文に合否は載せない、といういやらしい回りくどさが挙げられる。流石レイプの名を冠した反社企業、人の心を弄ぶのがこれ以上なく楽しいのだろう。強姦社は架空の企業です。

正直なところ、受け取らせたからには選考をすり抜ける自信があったので、僕はドヤ顔で選考結果ページを開いた。通っていた。〆切ブレイク最高だぜ。

 

 

第三章 それはWebテストから始まった~噴き出したコロナが選考日程と試験形体を動かした~

 

4月も半ばになると、既に世間はコロナに支配され始めていた。そのため、例年であればどこかの講堂か何かを借りて行われていた筆記試験が、今年はWebサイト上で実施された。例年なら出題されていたであろう”意味わからんくらいニッチな知識を問われる常識問題”が実質廃止されたのである。

科目は「論理」「計算」「英語」「三題作文」の4つ。正直語ることがないし、よく覚えてもいない。そもそもこのシステムは今年度だけの特例処置だろうから、試験情報をリークしたところで来年以降に役立つか保証できない!終わり!…と言いたいところだけど、今の僕は不特定多数に記憶を吐き出したい気分。簡単に説明しよう。

「論理」はいろんなカテゴリの短文を読んでから「そうです」「違います」「判断不能」の三択で質問に答える問題。このブログの記事をスラスラ読めるレベルの読解力があれば余裕、読めなくても余裕。

「計算」は経理っぽい(曖昧)資料を見て指定された数値を計算する問題。乗除と百分率が分かっていれば後は時間との戦い。

「英語」は僕自身分かっていないせいで何を聞かれているのかも分からなかった。2~3問当て勘で答えてから放置したけど通過できたからあんま重視されてないのかもしれん。

「三題作文」は繋がりの薄そうな3つの単語を提示されて、それをうまい具合に組み込んで文章を作るゲーム。これは普通にめっちゃ面白い。後で調べたら文の軸を予め考えておいてテーマをねじ込むのがお手軽戦術らしいけど、テーマを踏まえて0から考えたほうが早いし楽だと思う。

英語以外は100点換算で80は越えてる筈だと思ってたが、何より英語があまりにも更地だったのでドキドキしながら結果を待つオタク。正直落ちたと思ったけどなんか通ってた。出版業界ということもあって論理と作文の比重が重いのかもしれん。

 

 

第四章 Web面接に地獄を見たオタ部屋、ガバWiFi、それとゼミ発表~

 

Web試験を通過できた僕は、もはや既に院進の選択肢を忘れていた。本来であれば5月から院試に向けて英語の勉強を始めるはずだった僕は、前回のWebテストで英語が散々だったのにも関わらず通過できたこともあってか、一切大学院の情報を仕入れないまま部屋の掃除を始める。相変わらずアバれていたコロナの影響で一次面接はWeb上で実施されることになった。※ちなみに強姦社は四次面接まで存在している設定。

Web面接をするにあたり、僕の警戒ポイントは3つ。

1つ目がオタ部屋。僕はオタクではないのだが、自室の壁一面に”オタクっぽいフィギュア”や”オタクっぽい本”がずらりと並んでいる。個性や自由を強調/尊重する強姦社の面接においてそれらは問題にならないのでは?と思う活動家もいるだろう。もちろん、”オタクっぽいモノ”で面接の約20分を語り尽くせる”ホンモノのオタク”であれば問題はない。何度も言うが僕はオタクではない、部屋を彩る数多のコンテンツに対して「何故好きなのか」を言語化出来る自信は無かった。

迫り来る二択。部屋を片付けるか、自己分析をするか。選ばれたのは、”前日の自分に任せる”でした。というか、ゼミの研究報告がちょうど面接の前日だったので正直対策なんかしてる暇がなかった。

2つ目の懸念は、ES送信の際にも触れたガバWiFi。先述したが、僕の家の通信環境には”女の子の日”が存在する。一瞬だけでも繋がればどうにかなるES送信とは異なり、Web面接は始めから終わりまで繋がり続けていなければならない。ものすごく当然の事だが、この”当然”は我が家では通用しないのだ。…が、正直一週間やそこらでどうにかなるとは思わなかったのでこれは放置。研究報告の資料作りに追われていたので、業者にコンタクトを取るのが面倒くさかったという解釈も出来る。キミはどの説を応援する?

3つ目がゼミの研究発表。面接の前日の夕方に行われることになっていた。えぐいて。

しかし、面接が良い緊張になったのか、これはかなり良い発表になった(と思う)。発表がどれだけ上手く終えられたところで職にはならないのだが。

発表も無事終わり、ついに迎えた面接当日。時間は事前に選べたので、最後から二つ目の枠に申し込んだ。たしか16時とかその辺だった。申し訳程度に強姦社のホームページを閲覧し、そこに載っていた雑誌を何冊かKindleで購入し読んでみるも、当然よくわからない。連載マンガはキャラもストーリーも全く知らないし、単発企画も1つだけ読んだところで分析のしようがない。僕は諦めてスプラトゥーンをすることにした。

頭の中でリッター4kの射線を避けながら始まった一次面接。せっかくなので覚えている限りのルポルタージュ。いや、フィクションなんですけどもね笑

面接官は二人、若いあんちゃん(以下、若)と典型的文化人って感じのおじさん(以下、老)。

若、老「よろしくお願いします」

僕「あっお願いします」

若「まずは志望動機を言ってもらっていいかな?」

僕「प्रज्ञापारमिताहृदय」

若「緊張してる?」

僕「していまスゥ」

老「好きな本は?ESのとは違うやつ教えてよ」

僕「ろ、六枚のヒレカツ(強姦社/2020)です…理由言ったほうがいいですか?」

老「そりゃまあ、言って欲しいよね」

~記憶喪失~

 

~記憶回復~

若「デジタル編集志望みたいだけど、ファッション雑誌の営業に配属されたらどうですか?嫌?」

僕「嫌ですね…」

若「そう…」

僕「あ、でも………いや、やっぱ嫌です…」

老「…もう時間なんだけど、最後に言いたいことある?」

僕「エェ、ワタクシが御社に入社した暁には…暁には………あの、もう一度最初からやっていいですか?」

若「ごめんね、次もあるから。じゃあ、ありがとう」

老「退室してください」

僕「んにゃぴ」

ーーーーー終了ーーーーー

選外を確信した僕はその後逃げるようにスプラトゥーンをプレイし、ウデマエを2段階下げることになる。

ちなみに、何故かこの面接は通過していた。強姦社は珍しいことに選考過程での通過率をホームページで公開しているのだが、それによると一次面接の通過率は約40%。僕より酷いのがたまたま多かっただけかもしれないが、この原因不明の通過が僕を調子にライドさせてしまう。

 

 

第五章 恐怖の中の平和~東京のオタクは全てを背負って面接官と対峙した~

 

一次面接通過の告知を受けた僕は、当初の人生目的である院進を忘れ、強姦社の選考対策を始める。二次面接まで残された時間は5日。現実的に過去の出版物を網羅するのは不可能(ちなみにコロナの影響で国会図書館は臨時閉館していた)なので、貯金を崩し本屋店頭の強姦社製雑誌を全部買ったり、Kindleに1日あたり5桁↑のお金をぶち込んだりした。強姦社はパンパンTVというYouTuberを運営しているので、涙を流しながらその動画も視聴した。

面接の前日には各コンテンツの強みやら弱みやらを考察してまとめ、「出版 面接 質問」の検索で出てきた質問に対して解答を用意し、フォロワーにイタ電して滑舌をできる限り強化した。ダメそうになったらちんちんを露出してTwitterとブログで笑い話にしよう、とあらかじめ逃げ道も確保した。

二次面接当日。落ちようが受かろうがブログで何かしら書くつもりだったので面接会場の入口やら最寄駅やらの写真を撮るつもりだったが、完全に調子ライダーと化していた僕は(ま、最終面接の時でええなw)と考え全てをスルー。強姦社の面接は所謂「あなたを表現出来る服装でお越し下さい」方式だったため私服で出向いたのだが、実際のところスーツと私服の割合は7:3くらいだった。スーツ勢を脳内でしょーもなwと煽りながら待機室で待つこと10分、名前を呼ばれた僕はこれ以上ないくらいのドヤ顔で”1番ブース”へ歩いていく。もうなんか、全方向から追い風が吹いているような感覚だった。※ちなみに待機室では案内役の社員さんが「就活あるある」みたいな雑談を振ってくれたが、まともに就活をしていないが故に何一つ分からなかったので瞑想するオタクのモノマネをしていた。

二次の面接官は3人。一次のあんちゃんとおじさんの中間くらいの3人だった。以下A,B,C。

僕「初めまして、よろしくお願いしますね(饒舌)」

A「よろしくお願いします」

B「では、まずは志望動機を教えてください」

僕「はい、クッキー☆というネット上のコンテンツをご存知でしょうか?」

B「東方のやつ?」

僕「え、はい…」

B「あぁ、一応知ってはいるよ」

僕「घास」

~記憶喪失~

 ※何が起きたのかわからない読者も少なくはないと思うので、補足説明をしましょう、僕は”面接官がクッキー☆を知らない前提”で喋るセリフを組んでいました。なのであっさり「知ってる」と返されると”アドリブでセリフを変更”する必要があり、それは僕がコミュニケーションにおいて最も苦手としている領域なのです。建設したビルの一階が崩れてしまったわけですね。

~記憶回復~

A「うーん、なんかこう、準備してきたって感じだね」

僕「ァ」

C「仕事する時はひとりが好き?みんなでやるのが好き?」

僕「ひ、ひとり…でもみんなも好き…(留学生みたいなイントネーション)」

C「うん、それが一番だね(保育園の先生みたいな視線)」

B「ESに書いたやつ以外でパンパンTV(強姦社運営のYouTuber)の視聴者を増やす企画考えてみてよ」

僕「ちんちんを…出すと面白いかなと(半笑い)」

B「YouTubeじゃ難しいね」

C「もう時間だから最後に何かこれだけは言っておきたい、ってことあればどうぞ」

僕「(暗記した最後の一言を念仏のように唱える)」

ABC「ありがとうございました」

僕「ありがとうございました」

ーーーーー終了ーーーーー

面接会場を出た僕は何故か自信に満ち溢れていた。よく考えるとお終いフラグの乱立したお通夜面接だったのだが、メンタルの防衛本能なのか、終了直後は完全に通過を確信していた。

ここでミニトーク。強姦社本社のすぐ傍には大きなお寺がある。僕はそのお寺の境内にある「一言地蔵」に願掛けをした。一言地蔵はその名のとおり一言だけ願いを聞いてくれるというお地蔵様だ。僕はお地蔵様に「どうか僕を強姦社に入れてください」と願った。二次面接時点で社内に入っているわけだから願いは”既に叶っていた”ことになる。一言地蔵のチカラはホンモノなので、近くを訪れた際には是非お祈りしてみてはいかがだろうか、就活だけにw※繰り返しますが、このブログはフィクションのため、ここで言及した「一言地蔵」は各地に実在するお地蔵様方とは何ら関係ありません。

採用結果が届いたのは一次と同じく3日後。結果は落選だった。

 

 

第六章 無職の悲劇果てしなく~絶え間ない躁鬱、さまよう自我の慟哭があった~

 

秒で落ちた1社を除き、強姦社以外の企業にはエントリーすらしていなかったので落選の瞬間、僕は無職が確定した。結構凹んだ。Twitterにちんちんを晒すか本気で悩んだレベルにはこころが壊れていた。

それはそれとして、次の日には躁フォルムにチェンジしていた。僕は元々、自他共に認める「編集より作家に向いている人間」だ、強姦社に就職出来なかったからといって何も悔いることはない。そもそも僕の場合、仕事をする根源的な理由は金だから…と、ここで僕は強姦社員の収入を調べていなかったことに気がつく。「今のご時世年収400万あれば十分勝ち組」と風の噂で聞いていたので、高くても500万くらいかな~と思いながら調べると、そこに表示されたのは驚きの4桁万円。信憑性には疑問が残るし、初年度から貰える額ではないのだろうが、なまじ最初の逃げ道に「収入」を使ってしまったが故に僕は秒で鬱フォルムに戻されてしまった。その後も使う逃げ道すべてを強姦社の圧倒的なパワーに潰されて躁鬱サイクルを繰り返した。家の洗濯機よりは回っていた自信がある。この段落の支離滅裂さで色々と察して欲しい。

時は経ち、精神の安定してきた頃。僕は書き始めていた内定者エッセイのtxtファイルを削除し、インターネットの片隅で選外者エッセイを書き始めるのだった────。

 

 

おまけ HITOLIGOKKO~僕が見たES・筆記・面接~

 

・ ESについて

本編でも触れたように、ESはおそらくマニュアルを読まないほうが良いと思います。”出版を受けたことのないOBOG”に校閲してもらうのも避けたほうが良いかもしれません。何よりも大切なのは多分”自分の言葉で書く”こと。あ、”奇をてらう”と間違えないようにしましょう。ちなみに僕がESを送ったのは強姦社含めても2社だけなので盲信は厳禁。

 

・筆記について

今年が特別だったのもありますが、もし来年以降も同様のテストなのであれば大切なのはおそらく作文。普段から文章を書いて慣れておきましょう。辞書なんかを使って言葉をランダムに3つ生成すれば練習も出来ます。あとはどうしようもないとき用に融通の効くテンプレを用意しておくと良いと思います、出来るだけ個性的なやつで。

過去問を見る限り本来は雑多なカテゴリから出題される時事クイズみたいな傾向らしいので「みんはや」をやったりヤフーニュースに張り付いたりしておくのもオススメです。

 

・面接について

セリフの用意は浅く広くに留めておきましょう。僕のように狭く深い準備をすると、その範囲が少しズレた時に焦ってTHE ENDです。強姦社は幅広いコンテンツを扱う総合出版で、二次までの面接官はそこで働く現役の社員です。予想以上にモノゴトを知っていますし、予想以上にモノゴトを知りません。例えば、僕が二次面接で出会った面接官のB氏は「クッキー☆」を知っていたものの「ガクチカ」という言葉を知らなかったみたいです。※面接の過程で面接官が”わざと知らないフリをする”こともあると思う。どのタイミングで「それ何?」や「知ってるよ」が飛んでくるかわからない以上、セリフはコンボ始動だけ考えておいてあとは臨機応変に頑張るのが一番だと思います。僕が一次を突破したように、多少支離滅裂でも受かるときは受かるので。

 

 

終わりです(ダブルミーニング

最後に、一言地蔵のあるお寺のイメージ画像を置いておきます。

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ちなみに強姦社の定期採用は新卒だけに限らず、大学卒業から5年ほどの間は採用募集の対象という設定です。 どうしても強姦社がいい!他企業に就職するくらいなら無職でいい!という方は、年齢的に対象外になるまで受け続けてみるのも良いのではないでしょうか。もしかしたら、何処かの会場でお会いするかもしれませんね。