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【いまフォトジェニックとは何か】サークル内フォトコンで滅茶苦茶不評だった写真を解説する【フォト講座】【最強】

こんにちは。ようやく自分語りらしい自分語りが出来そうで既に濡れているしあたんです。

「フォトジェニック」ってご存知ですか?意味も分からずに”なんか陽キャっぽいから使おw”と思って乱用していませんか?

先日ちょっとした用事があり、オタクサークルのオタク達と雨のサファリパークでフォトコンテストをするという機会がありました。僕は普段から”歩くインスタ映え””フォトジェニックの擬人化””B612を代名詞にした男”などと呼ばれているほどの写真家です。当然参加しました。

その時の提出作品がこちらです ↓ 

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(TwitterのDMを介したため画質が下がっています。申し訳ございません)

構築名は「虎月ー夜去りて檻開くー」です。

僕はちょっとした用事で選考の様子を見ていたのですがこの写真はひどく評判が悪く、「これはちょっと無い」「持ち上げようにも持ち上げられん」「頭おかしい」などとブーイングの嵐を浴びました。僕はインターネットでこそヤクザですがリアルでは空気の読める所謂”大人”なのでこれに対し特に反論せず、黙ってうんうんと頷いていました。しかし心は少年です。言われっぱなしでは勃起が収まりません。なのでブログで自己正当化しつつ”本物のフォトジェニック”をオタク達に教えようと思いました。

導入終わり、ここからが本題です。今回はこの「虎月ー夜去りて檻開くー」を例に「フォトコンで勝つためのフォトスキル講座」、略してフォト講座を行いたいと思います。

目次!

 

最強フォト講座~これでキミも最強インスタグラマー~

1.”フォトコンテスト”で映える写真とは

2.実演編~「虎月ー夜去りて檻開くー」で構築解説~

 

 

1.”フォトコンテスト”で映える写真とは

 

まずはじめに、勘違いしている方が多いのですが”フォトコンテストで勝つための写真”と”良い写真”とは全くの別物です。

具体的な例を挙げましょう。今回僕が参加したフォトコンテストは先述したように「雨の」「サファリパーク」がフィールドでした。加えて、撮影可能時間の多くが「バスの中から」であったことも追記しておきます。聡明な貴方なら察せたでしょう、この時点でこの3属性をメインウェポンとする写真は審査員の目から実家のようにこぼれ落ちていきます。(もっともこれは参加者と審査員双方の規模によって左右されますが)

つまり、サファリパークだからといってバカ正直に動物を中心に捉えたほのぼの写真やバスの窓についた雨水が映りこんでしまっているようなびしゃびしゃ写真はよほどのフォトジェニック・ポイントがない限り賞は取れないのです。(もっともこれらの写真も”埋もれる”ことを前提に逆にそれを武器にすることも可能です。後述します)

かわいい動物を撮った写真や鮮明な思い出となる雨の写真は先の解説で言えばもちろん”良い写真”に分類されます。しかし”良い”だけでは生き残れないのがフォトコンテスト。ではどうするか。第2章で実際の写真とともに今回のフォトジェニック構築を説明しましょう。

 

2.実演編~「虎月ー夜去りて檻開くー」で構築解説~

虎月ー夜去りて檻開くーを辞書登録しましたか?僕はしてないです。毎回打つのが面倒くさいので以降は「虎月ー夜去りて檻開くー」のことを「虎の写真」と略します。

 

お待たせしました、それでは虎の写真の構築から各種フォトジェニック・ポイントを解説をしていきます。

 

☆斜め視点(10フォトジェニー)

これは1章と若干内容が被るのですが、フォトコンテストは審査員という生身の人間が選別を行います。この段階で流されてしまうといくら細かいフォトジェニック・ポイントを配置しても見逃されてしまうのでどんな写真であれまずは見る人の”目を引く”ことが重要です。

そのため、後述しますがあまり突飛なシンボルを配置できないこの写真では「斜め視点」というフォトジェニック・スキルを使用しました。これは非常に基本的なスキルです。被写体ごと少しカメラを傾けて撮影することによって審査員の首を物理的に傾けさせ、さらに二次作用として映す範囲を拡張することが出来ます。後者も単純にフォトジェニック・アドバンテージですが、やはり前者効果が強い。作業的に写真を眺める手を止めて一瞬とはいえ審査員の注目を集めることが可能です。

 

流し撮り(5フォトジェニー)

 説明するのも恥ずかしいほど初歩的なフォトジェニック・スキルですね。今回は動物ですが、例えば走る車を撮りたい時。普通にシャッターを切っても横にブレた鉄の塊が映るだけで綺麗には撮れません。そこでこの流し撮りを使います。

方法は簡単で、走ってくる車に合わせてシャッターを切りながら同じ速度で被写体を追うだけです。すると車ははっきりと映り、背景はスピード感溢れたブレ写真となります。今回のように自身が車に乗っている場合でも同様に撮影が可能です。基本スキルとはいえ追尾の速度調整やシャッターのタイミング等フォトジェニー増加のポイントが多く存在するので新米インスタグラマーはまずこのスキルをマスターしましょう。ちなみに今回は被写体が車ではなく虎のため足の速度が体躯と異なりぶれてしまっています。

 

☆シンプルなカラーリング(5フォトジェニー)

素人が陥りがちなミスが”フォトジェニック=カラフル”という思考。それでは色の散り散りな滅茶苦茶写真の生産工場になってしまいます。カラフル方面に振り切れば属性へと昇華し得るのですが今回のフィールドはサファリパーク。あまり色には期待できないと判断した私は対照属性であるシンプルに狙いを絞りました。

サファリパークですから当然視界は一面の糞緑。今回初参加のフォトコンということもあり、冒険はせず素直に軸色を”緑”に設定。そこから主に黄色系統の動物を集中的に撮影しました。ちなみにこの時点では被写体動物を定めてはいません。これも素人あるあるですが、撮りたいものを決めつけていては本当のフォトジェニックには巡り会えません。フォトジェニックとは9割の構築と1割の運命。そこに計画やセンスの入る余地はないのです。出会いに感謝を。

 

☆人工物と自然との対比(20フォトジェニー)

これは所謂”媚び”ポイントです。今回の審査員がオタクであることは事前に把握済み。オタクといえば対比が好き。ならば答えは一つ。人工物とは後方のフェンス、そして自然とはここでは木のことを示します。

フェンスと木はそのまま人工⇔自然の対比なのですが、木に対してフェンスを選択したのにはもう一つ理由があります。それがフェンスとは”横方向に遮るもの”だということ。フェンスとはパークの動物がパーク外に脱走、もしくはパーク外の動物が侵入することを防ぐために設置されています。この”横の遮り”が木の”縦に伸びていくもの”という性質との間にフォトジェニック・パワーを生み出していることに気がつき、フェンスをあえて隠さずに映しました。

 

☆雨による”月”(20フォトジェニー)

お気づきになられたでしょうか。この写真には雨粒による”月”が浮かんでいます。先ほど「雨粒が映りこんだらダメ(曲解)」と宣言しましたがそれはあくまでも意図の無い雨粒の話。この雨粒には通常陽の差す時間帯では撮影できない月を映すための舞台装置として働いてもらいました。

本来は50フォトジェニークラスのエースギミックですが今回はたった20。何故かというと配置に失敗しているからです。写真を見ればわかるように、虎の写真には斜め撮りによって大きく開けた右上エリアにフォトジェニックポイントが設置されていません。本来であればここに月を設置するのが定石ですが、これは単純にシャッターチャンスを逃してしまいました。意表を突くでは言い訳のできないプレミです。

 

☆虎(5フォトジェニー)

先ほど「動物のほのぼの写真は論外(曲解)」と宣言しましたがそれはあくまでも思考停止センター動物の話。この虎のテーマは”狩り”です。肉食動物が狩りをするのは何故か。それは子孫を残し未来に種を残すためです。ダイヤモンドパールをプレイしたことのあるオタクは実感が湧きやすいのではないのでしょうか。もしくはリボーンを読んだことのあるオタク。空間が横に広がっていくのに対し、時とは縦に紡がれていくものです。

”木”という”縦”の象徴に囲まれて見つめる先にはきっとターゲットの草食動物がいるのでしょう。彼らもまた未来に種を残そうとするもの、それを喰らうことで繋ぐ命。画面外のターゲットを見つめる虎は、彼もまた自然の一部であることを示しています。先ほどの対比解説ではあえて触れなかったのですが、フェンスの足元に横一直線に伸びたアスファルトの道路は”縦の自然”に対する”横の人工”を暗示させたつもりです。

 

☆総評・反省点

反省点としては先述したとおり月の配置、そして何より痛かったのが縦横がテーマでありながら”俗的注目”に頼ろうと斜め撮りを選択してしまったこと。修正の出来ないレベルで構築テーマを崩壊させてしまったことが今回の敗因かなと。構築自体は優勝狙えたレベルだと思っているので次回までには細かいプレミの無いよう練習を重ねようと思いました。

 

まとめ

 フォトジェニックってなんだと思いますか?僕は未だに結論が出せません。写真は見るものですが、それ以上に撮るものです。第三者として眺めただけではわからない、撮影者自身の思い出が写真には映ります。その”思い出”を誰もが共有することの出来る写真がもし現れたとしたら…それが”フォトジェニック”なのかもしれませんね^^